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台湾紀行(最終回)

 ホテルにシングルで泊まっていても退屈だったので、私はしょっちゅう一階のロビーに行っていた。フロントの方々も親切にしてくださり、日本語が喋れる方はちょくちょく日本に来るとのこと。そんな中で(たしか)服務台の係の陳さんにはお世話になった。陳さんはご高齢にもかかわらず、一生懸命仕事をしていた。そんな中で、陳さんは私に中国語を教えてくださり、私は日本語をコーチした。中国語の発音の四声(語音、イントネーション)を教えてもらった。単に「チンウェン(Excuse me?)」と発音しても通じにくい理由がやっと分かった。「チンウェン」は四声で言うなら、「レ点」の様に話すらしい。それを知ってから大変便利になった。また、陳さんは、「ここの店の小龍包は是非食べとけ」と言うだけあって、バスで乗り継いだ末に行ったお店はおいしかった。紹興酒を飲みながら小龍包をつまむ・・・至福の一時である。また、地元のドヤ街みたいなお店の、これは安くてうまいという物も教えてくれた。本当においしかったので、おかわりまでした。

 故宮博物館は改装中であったが世界の四大博物館と言うだけあって、歴代中国の至宝がごろごろしていた。私は時々、団体客のガイドさんの説明に耳を傾けながら、珠玉の瑞宝を目に焼き付けるまで見ていた。台北からメトロとバス一本だったが、私は計三回通った。審美眼が養えたのかどうかは知らないが、帰国後、家にある皿を見て、すぐに価値がないと判った。

 ホテルに泊まっていたある夜、ドアをたたく音がした。なぜだか知らないがポン引きが来た。あれこれ言う相手に、丁度私は坊主頭だったので、「坊さんがそういうのはまずいでしょう」と言って断った。向こうも判るらしく、おとなしく退散していった。

 ある夕方に、時間をもてあましていることを陳さんに告げると、駅へ続く地下街に占い師がいるという。興味本位で行っては見たが、お互い言葉が通じない。参ったなと、あきらめようとした時、占い師の先生(若い女性)が携帯を取り出し、おばあさんへ通訳してもらうように頼んでくれた(その代わり割増料金だったが・・・)。私はその占い師が賢いと見て、あえて哲学的な質問を英文で書き殴った。学問の分野では漢字で興味があることを羅列した。先生は両方とも理解していた。その結果、最後には「あなたの質問は占いのジャンルを超えています」と言われた。手間も掛かったので、チップをはずんで宿に戻った。

 陳さんが日本語で「面白かったかい?」と聞いてくるので、通訳の話やら何やらで「面白かったです」と答えた。陳さんも嬉しそうにしていた。ふと、石ノ森章太郎の「ホテル」を思い出したので、台湾では売ってないのかと尋ねると、みんな知らないという。それなら、親切にしていただいたし、日本に帰ったら送りますよと言って、後にアマゾンで三冊ほど買って送った。陳さんからも日本語の’ありがとう’というニュアンスの手紙が来た。

 やがて、日本に戻らなければならなかった日、陳さんはいなかったが(夜勤なので)、フロントの方に「宜しくお伝えください」と言って空港に向かった。時間まで余裕があったので、免税店でいろんな物を物色したが、友達への土産は、煙草だった。そうして時間になると、機内に移り、短かったけれど密度の濃い台湾への旅行に終止符を打った。

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