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勘弁してくれよ

05040814_04_07 我が家に弥七君(ミニダックス、♂、満九歳)が来た頃、やたら全身を痒がっていた。ペットショップの人は「時々、フケが出るんですよね」と言っていたが、よもやと思い、毛をかき分けてみると、黒いごま粒みたいなノミがいる。家族、総掛かりで、暇があってはノミを駆除していた。しかし、そんな方法では埒があかないので、動物病院に連れて行き、首周りにのみ取りの薬を塗ってもらった。これで何とかなると考えていたが、甘かった。一向に根治する様子が見られなかった。
 
 これは困ったと、どうしたものかと家族の間で作戦会議が開かれた。いっそのこと、毛をバリカンで刈ってしまおうか、などという案が出たが、せっかく立派な毛並みになってきたのだから、それは止めておこう、という事になった。その頃の弥七君は、獣医も呆れるくらい風呂に入れて、清潔にしていた。風呂に入れる役割は主として母が行っていた。体が小さいので風呂桶ではなく、ベビーバスに入れていた。そんな環境の中、母が思い出したように言った。「熱いお湯につけてるとノミが浮き上がってくる」と。これは、弥七君が聞いていたら、多分、逃げ出していたであろう発言だった。我々は弥七君を「釜ゆでにしよう」という方向性で一致した。
 当然のことながら、九歳にもなった現在、同じ事をしたら、彼はくたばってしまうであろう。しかしその頃は、一歳足らず位で、体もどんどん大きくなり、生命力がみなぎっていた。我々家族は、黙って準備を始めた。風呂桶のお湯は大体、ふつうの温泉くらいの温度にし、ベビーバスにはもっとぬるいお湯を準備した。さて、作戦開始。
 弥七君をいつも通りに洗ってやると、まずベビーバスに入れてやった。掛け湯みたいなものである。次に、思い切って風呂桶に放り込んだ。足が底に付くか付かないくらいかの水位で、弥七君は一生懸命に犬かきをしている。2分、3分、我慢させた後には、ノミが水面に浮かび上がってきた。弥七君とノミとの根比べである。パチャパチャやっている弥七君は「なんてことするんだ」と、目が訴えている。限界近くまで我慢させた後で、風呂桶から出してやると、そのまま風呂場の床にへたり込み、ゼーゼーと息をしている。もちろん火傷などはしていないが、完璧にバテきっていた。
 そんなことを、三回くらい繰り返したであろうか、弥七君のノミはほぼ全滅したらしく、痒がることは無くなった。かなりの荒療治であったが、効果はてきめんであった。九歳の今だと、まず出来ない戦法である。「釜ゆで」にしたのは申し訳なかったが、入浴剤の登別カルルス(白色なので黒いノミがわかりやすい)も入れたことだし、温泉気分ということで許してもらいたい。
 飼い出してからずっと続いている私の日課は、弥七君の目のゴミを取ることである。自分では取れないだろうし、何より、よく眠れているのかの、おおよその目安になる。もう九歳だし、ノミよりも怖い、病気にならないことを願っている。

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